スローガン ~ 我々の目指すところ ~
「不断向上終身努力」
 
 この格言は,生涯にわたって道徳的努力を続けていくことの大切さを述べたものです.
 私たちは,何か志を抱き,それに向かって一歩踏み出すことはあっても,途中でその志を放棄し,努力をやめてしまうことがあります.このようなことでは,何事も中途半端に終わり,後悔だけが残ることになります.中国の古典にも,「初め有らざる(な)し,克く終わり有ること(すくな)し」(『詩経』大雅篇)とあります.これは,初めはだれでも努力するが,最後まで成し遂げる人は少ない,という意味です.
 また,前半生は道徳的に努力して,社会的な地位,名誉,財産などを得ても,後半生に至ると,その精神が緩んで,節制を欠き,勝手気ままな言動をとり,人に対して無慈悲になってしまう人が少なくありません.その結果,みずからの健康を害し,家族や周囲の人々からも疎まれ,結局,孤独で寂しい生涯を終えるのです.これではどんなに地位,名誉,財産を得ても,人生を全うしたとはいえません.
現代は生涯学習の時代です.科学技術は急速に進歩し,知識や情報は爆発的に増大しています.この社会を生きぬいていくためには,生涯にわたって新しい知識や技術を学んでいく必要があります.
 モラロジーでは,この生涯学習の根本が品性の完成をめざす絶え間ない道徳的努力にあることを教えています.すなわち,永続性,発展性,審異性を備えた真の幸福を実現するためには,学力,知力,金力,権力などの力も必要ですが,さらにそれらを正しく生かす高い品性を養うことが不可欠です.その高い品性は,最高道徳的な心づかいと行ないを積み重ねていくことによって形づくられるのです.
 また,私たちは,社会的な地位が高まるにつれて,それにふさわしい分量の道徳を行なうことが必要です.そうしなければ,人々の信頼に支えられて職務を果たし,事業を成し遂げることはできません.社会的責任が増大するにつれて,良質の道徳を多量に行ない,ますます品性を向上させていくことによって,はじめて実り多い人生が保証されるのです.
 このように品性の完成を目指し,終生,道徳的努力を続けていけば,種々の困難を乗り越えて,有終の美を飾ることができます.

『最高道徳の格言』より